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特集記事

Vol.147 -- 2012 年 07 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」

 第40回<六月のシリコンバレイ>

 今回のシリコンバレイ入りは六月中旬、ちょうど大学の卒業式が週末にある。もうさくらんぼやジャスミンの香る季節も後半となり、黄金色に輝く野山は一点の雲もない紺碧の空に映える。いつものように、大学にある郵便局の私書箱からたまった手紙を取り出す。今日は十三日なので、卒業生たちはすでに薄手の黒のガウンと帽子を賃借りして試着し、きゃあきゃあ言いながら校庭を闊歩する姿は、大型の凧か烏が酔っ払って歩いているような感じだ。スタンフォード大学の第百二十一回卒業式行事は、今夜十四日木曜日の校友会主催の歓迎夕食から始まり、土曜日午前中は諸宗派が回廊広場で祝賀と音楽会を催し、午後には総長へネシー教授が総長公邸へ卒業生とその家族を招待する。日曜日に野外劇場での卒業式典があり、その直後に学科ごとに卒業証書を授受して幕を閉じる。

スタンフォードと言えども、世の中の景気に左右され、大学の運営予算は日本の東大のように国が出資してくれるわけではないから、大幅に目減りした。空前の規模で拡張修復した施設は、寄託者から指定されたものだから、別の名目で使うわけには行かない。スタンフォードを経済的に大きく支援してくれたのは卒業生が設立した、ヒュレットパッカード(HP)社だった。しかし、二千年頃からHPは不景気と経営不振とに見舞われ、老舗の計測器事業がアジレント社、コンピュータ事業がHPへと分社した。そののち、コンピュータ学科の卒業生がインターネットのヤフーを作り、無料メイルと無料交流場所を提供している。一九九八年には同学科の学生二人が強力な検索エンジンを開発してグーグル社を発足した。このときの株の公開は予め決められた株価で売り出したのではなく、「せり値段」で売り出したので、通常は十五ドルから三十ドルくらいの値段のところが、四百ドルを超えた。このため親元のスタンフォード大学にも多額の現金が入り、それが今回の大規模な施設の拡張修復を可能にしたのだ。

学校の第一の仕事は世の中のためになる卒業生を出すこと、第二は学術研究で業績を上げること、第三はスポーツも含めて文化向上に寄与することだ。学校が卒業生に望むのは母校への財政的支援が筆頭である。卒業生が世に出て事業に成功すれば、母校へ財政的支援をする機会が増える。こうやって良いことが循環する。日本の駅弁大学のように、学生が勉強しないのでは、世に出て成功するわけがない。日本で一番必要なことは、大学の入学試験制度をやめて、入学以前の勉強の成績を正当に評価する制度を作ることである。残念ながら、日本のやり方は、全てが枝葉末節的で、基礎が全く出来ていない。消費税増税も同じで、収税方法や、消費税のきめ細かい課税方法が議論されないで、税率ばかりを押通そうとする。そして、大方の時間は、役人よりもはるかに高給取りを押通している国会議員が、「うちげば」闘争ばかりに明け暮れることだ。最近テレビでよく見る、国会議員の格好良い姿に使う費用は、仕事上の費用として、国民の血税から払っているのだ。毎月百万円の領収書が不要な通信費など、米国では通用しないやり方だ。

さてシリコンバレイの企業は、どんどん入れ替わっている。シリコンバレイとは、カリフォルニア州北部でサンフランシスコ湾の西南側に沿った地域だ。実際はスタンフォードがあるパロアルトとサンホセを結ぶセントラルエクスプレスウェイのマウンテンビュウからサンタクララくらいまでの両袖で、半導体を中心としたハイテク産業がひしめいている。今回気がついたのは、サニーベイルにあったナショナルセミコンダクタ社の大工場に、テキサスインスツルメントという看板がかかっていたことだ。サンタクララにはNECの工場が幾つかあったが、その一つはルネサスと言う看板に変わっていた。パロアルトとサニーベイルの間にマウンテンビュウと言う市がある。ここにもハイテク企業がたくさんあり、この市の財政はすこぶる良い。理由は、グーグル本社が百一号線の向こう側、ショアラインパークに隣接して立っているからだ。米国もシリコンバレイと共に変わり続ける。

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