特集記事
徳川文武の「太平洋から見える日本」
第百八十七回 時勢に流されず、自己を失わず
華々しく登場した第二次トランプ政権は、ドイツ系移民の父親が不動産業で成功した典型的な福音派で、イスラエルとも緊密なユダヤ系共和党政治で足元を固めようとしているように見える。最近ドイツの経済的存在が再認識されているが、ヨーロッパの宗教はローマ法王を中心としたカトリック派とドイツから北欧へ広がったプロテスタント、東ローマ帝国が支えられているビザンチン帝国の正教会、それにロシア支配下に置かれるグルジアやアルメニアなどコプト文字を使用する東方諸教といわれる宗派がある。
一方、五万年前にシベリアに起こった氷河期のあと、アジア系民族が米国大陸へ流入してきたため、現在の米国大陸の「先住者」とアジア大陸と言う意味で、過去数百年来に西欧から米国東海岸への渡来者たちは西欧諸国からその支配者により送られた「侵略者」と言う見方で見ることもできる。アジアから米国大陸へ長期にわたり移動してきた人々は発祥地がインド大地方と誤解され、アメリカンインディアンと呼ばれることも多い。中南米にまで移動した彼らが築いた国家の多くは独特な政治文化体形を形成して繁栄したが、十五世紀に始まる大洋航海の結果、羅針盤や火薬武器の威力により滅亡した。ともかく、一六二一年信仰上の理由から北米大陸へ到達したキリスト信者たちは、産業革命で得た西欧諸国が目指したのは領土拡張と資源獲得が目的だった。
西欧諸国は産業革命で得た資金力と世界中の植民地から得た労働力を領土拡張のもとに西欧を各国王朝を統合するする戦争を始めた。人類の発展に伴い、生産に必要だった人力は産業革命では水力、電力となり、現代では原子力も利用されることとなった。この変化に伴い、生産力を生むエネルギー源が必須となり、石炭や石油やウラン鉱石が争奪戦の対象となった。人間の葛藤の中異人種間の闘争も激化してきた。それが宗教が介在する差別戦争にも発展している。人類の自由への開放がルネッサンスであり、生産力の戦争がエネルギー源の獲得となり、長いこと中近東は回教諸国による天然資源の埋蔵国であったが、世界の列強は原油の独占に対して戦争をするようになる。第一世界大戦はバルカン半島のセルビアで火種が起こり、第二次大戦は十九世紀半ば南北戦争により国内統一が行われ、名実ともに世界一級の工業国となり、急激な経済力の膨張による米国の金融破綻が世界恐慌を引き起こした。
世界的にドイツ、イタリー、日本の経済状態が悪化し、第一次大戦で債務過大なドイツに国民党のヒトラーが占領したポーランドに侵略したが、英仏がこれに対抗して第二次大戦が始まった。第一次大戦で日米経済は戦争景気で大幅な恩恵を受けた。ファシズムが日独伊の枢軸三国で恐怖政治が吹き荒れた。東アジアで共栄圏支配を始めた日本の活動に米英が結束して日本に経済封鎖を始めたとして、日本が米国の真珠湾を奇襲して、大平洋戦争が始まる。一九四一年日本の太平洋海域の資源獲得は阻まれ、開戦一年で日本戦局の劣勢を無視して日本は広島長崎に米軍による原爆投下を受け無条件降伏になった。
第二次大戦後、米国経済は多くの移民を積極的に受け入れた米国で繁栄した。また日本経済は大平洋戦争で疲弊したものの、直後に朝鮮戦争による国からの受注は日本経済を潤した。以後、日本経済は米国との貿易と一九六四年の東京オリンピック大会より大幅な経済回復を果たすこととなる。
米国は第二次世界大戦に勝利し、国際連合事務局が米国に置かれる。米国は積極的にユダヤ系移民を迎えることにより繁栄している。米国民の宗教は七割以上がキリスト教、その八割以上が福音派とプロテスタント、回教徒にはアフリカから来た黒人たちや、アジアや中近東から来た白人たちもいる。
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