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特集記事

Vol.143 -- 2012 年 03 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」

 第36回<秋入学よりも重要な大学の教育問題を忘れるな>第1部

  現在は、海外の入学期制度を見ると秋が主流だが、母親の同窓生名簿を見ると、かつての日本には、一学年に春組と秋組が一つずつあった。最近、東大が言う秋入学は、世界一流大学との交流を目指しているためか。米国大学が競争するのは、優秀な学者、教師、学生と言う人材の獲得が一つの目的だが、東大はこれを意識したためか。米国には文部省はないし、国立大学制度もない。一方、日本では文部省の命令や補助金が出るばかりで、日本の大学が抱える根本的問題は、独立法人化したからと言って、それだけでは解決されない。その最大の障害は、大学の社会的使命の認識と実践よりも「面子」に固執した、まさにテレビ番組「白い巨塔」に象徴される、閉鎖的な古い体質にある。
私は学部は早稲田大学、大学院はスタンフォード大学で学び、帝京平成大学で教職をとったので、それぞれの時代的な隔たりはあるものの、日米の大学の内と外とを見る機会にもなった。日本の大学が外国人学生に人気が無いのは、春入学だからではなく、上に述べたような大学の体質にあると思う。このままでは、日本の大学を英語化しても国際的になるわけでもない。大学教育の問題分野を、学外(社会、家庭、雇用)と学内(学生、教員、大学)に分けて考えてみる。偏見も誤解も社会制度の違いもあろうが、私なりに日米の大学教育事情を比較し、最後に日本の大学の改革改善に必要な条件をあげてみよう。
学外(社会、家庭、雇用環境)
六十七年前の一九四五年に太平洋戦争が終わり、国内復興事業、朝鮮戦争、ベトナム戦争、米国市場の拡大ともあいまって、日本の生産は急速に拡張した。子供の人口もどんどん増えるに従い、一九五五年頃から大学受験競争も激化し、予備校が盛んになり始めた。企業の絶えない生産増強は工業人口の増加と「残業時間の増加」が示している。一九八五年頃にはじけた経済バブルは、急速に落ち込んだ景気にもかかわらず、残業時間は減らず、手当が減ったり無くなったりしただけであった。この「習慣的残業」は以後、働く人の「健全な家庭生活」を時間的に破壊する事となった。親たちは疲れ果て、家庭で子供を満足に教育する元気も無くなった。現在も終電近くになると乗客が激増する大都会の状況は、事態が改善されていない証拠だ。また、激化する大学受験は、多くの子供の教育で「正規授業と塾通い」の勉強の両方を強いる事となった。そのもとは、大学新卒の雇用者の「有名大学」偏重だった。雇用者は、米国におけるように大学生の勉学の成果を評価するのではなく、「面子」のための「大学名」にこだわった。そのためか、ここ七、八年は、大学受験戦争を避けて、一貫校志願が激化している。
学内(学生、教員、大学)
私の受験時代の大学及落は、大学が行う一次試験と二次試験で決まり、高校の内申書は補助的な情報でしかなった。そののち、大学収容人員の激増と少子化の進行により、大学の入学数獲得のために、何通りもの入学方法が出来た。一旦入学すると、米国のように落伍する事が無いので、日本の大学生は、米国の大学生の半分位の時間しか勉強しない。日本では、親の面子のために無理して大学生になることも多い。大教室は幼稚園の校庭のように騒がしい。日本の大学生は友達に会いに来るのだ。かれらは、勉強よりも遊ぶための金を稼ぐのに忙しい。博士課程では相変わらず徒弟制度なので、この頃は助手になるよりは外へ飛び出そうとする。しかし、日本では独立して研究資金を獲得する事は困難だ。
大学教員は、日本では米国の二倍もの科目を担当させられるので、教育研究も学術研究も卒論指導も授業準備も十分な時間が無い。米国東部諸大学では日本と同様、セメスター学期制度だが、日本の場合は一科目が九十分週一回だ。一方、スタンフォード大学では、クオーター制の学部が主流で、一科目は月水金なら五十分週三回、火木なら七十五分週二回で履修できる。一般科目や入門科目では、回数が多い方が、宿題や演習も頻繁に出来、勉強が身に付きやすい。米国では授業や宿題に対する質問は、毎回授業あと、教員か博士課程の学生の部屋が当てられている。また、博士課程の学生は一定時間の授業を担当しなければならない。学生は授業補助や採点に対しては賃金を支払われている。教員は授業と研究と指導と学会とに時間を振り当てる。米国の教員は学校の近くに住むので、日本のように長時間かけて通勤することがない。
次回に続く
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