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特集記事

Vol.115 -- 2009 年 11 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」

 第8回<対話の回避>

   今回は、我々日本人が「他人との対話」を避けるようになってしまった原因を探ろう。それはどうやら、幼児教育にあると思う。日本では概して、子供はお客様であり一人前の扱いを受けないから、大人と話すことを知らないで成長する事が多い。この傾向は兄弟が少ない都会っ子の方が強いらしい。しかし、子供は感受性が強いから、口には出さなくても、大人の行動や心の中は良く読んでいる。米国では、生まれたときから、子供は独立した個人として扱われるし、日本の子供よりは大人との会話になれている。日本の子供は交通機関を使った通学が普通だが、米国ではスクールバスか親が車で学校まで送り届けるのが普通だ。もちろん自宅と学校が至近距離なら、日米とも子供は徒歩か自転車で通学する。
 日本の子供は親や学校から「知らない人と話をしてはいけない」と教えられる。「応じなければ災いなし」と言うことか。これに比べ米国では、子供の頃から仲間内以外の人と会話をする機会も多い。家庭では、家が日本よりも広いこともあるが、パーティなどで来客がひんぱんに訪れる。子供は日本のように大人から除け者にはされない。家庭でバーベキューなどの準備を手伝うこともしばしばだ。そのとき子供は、作法や他人に話すことをおぼえる。学校では、入ったときから、グループによる学習や討論が盛んに行われる。米国の教育の基本は、教師が上から教えるだけでなく、生徒が身をもって体験することが重要と考えられている。日本で最近注目されてきた、体験学習が基本である。
 学習塾はなくもないが、米国では大学の学力入学試験はない。だから日本のように、余計な費用と時間をかけて、塾と学校の勉強を二通りする無駄はない。その間に海外の学生たちは、のびのびと個性を伸ばしている。米国では、どこの学校の成績は全国でどのレベルかが大学側に分かっているから、大学ごとの学力入学試験は不要だ。受験する学校が評価に使う情報は、学生の卒業校までの成績と全国標準試験と提出する作文である。大学に入ってからも、卒業してからも、米国人たちは読んだり、書いたり、話したりと、意思の疎通を頻繁に行う。就職してから、大学の課外講義で改めて作文を勉強する人も多い。インターネットが盛んになったこの世の中で、魅力ある、的確な文章表現力は、広告文や報告書にますます重要なのだ。米国では正しい米語で文章を書くことが重要だと考えられている。これに対して、年々日本語はおかしくなっている。文部省もNHKも標準日本語を使うことをすっかり忘れてしまっている。外国人すら理解できない日本化英語が現代日本語になっている。
 いつものように世田谷の家の近くのバス停留所で私は十五分おきのバスを待つ。七、八人の乗客は毎日同じ顔だ。誰もお互いに挨拶もしなければ、話しかけもしない。松戸から帰りの夜の電車の中で酒が入った客の殴り合いが始まる。なだめる人は必ずいるが、これが世界一礼儀が正しい日本人の姿だ。電車やバスの優先席は若者と壮年が、いつものように独占している。これが世界一思いやりがある日本社会なのだ。酒に酔った運転者が歩道の老人をはねて殺しても、過失になり殺人犯にはならない。これが世界一犯罪が少ない日本なのだ。美しい日本、自然に優しいという宣伝文句、日本の自然環境は天下りの役人と建設業者が作る箱物で破壊される。自然を破壊しないで金を有効に使う方法は他にいくらもある。
 日本では職を失った人や身内の介護で疲れた救いのない人々が次々に死を選んでいく。日本社会では救いを求める場所がない。そしてこれは大都会だけの現象ではない。今日のニュースでは自殺者支援センターの電話相談が出来たと報じている。そればかりではない。救急車で運ばれる急患が救急施設の看板を掲げている病院からたらい回しに断られている間に死んでしまう。こんな馬鹿な話が日本の日常だとは信じがたいが事実なのだ。
 単一民族で出来ていると言う日本社会は、見知らぬお互いがそっぽを向く冷たい社会なのか。米国では隣人愛に満ちたキリスト教会が社会を下から支えている。人種差別があっても、貧富差別があっても、それなりに助け合う仕組みが社会的に米国にはあるように思える。日本も昔は寺を中心に生活していたと思うが、最近はお寺さんは信者や大衆を助けないのだろうか。仏教信者はひたすら自分だけが極楽に行くことを願い、キリスト教のように隣人を愛し助ける精神はないのだろうか。それとも日本では町会費を納めなければ、村八分になるのだろうか。日本社会の人間関係とはそんな非人間的なのだろうか。心にゆとりさえなくなってしまった日本社会を取り戻すことは出来るのだろうか。
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(送り先 月刊ハロー編集部)

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