特集記事
世界大会出場 田渕 雄夢君(柏在住)にインタビュー
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◆ルービックキューブをはじめたきっかけは? 「小学校6年の時に、インターネットで円周率の覚え方を調べていたら、たまたまルービックキューブのページを見つけて興味を持ち、家にあったキューブで始めてみたのがきっかけです」と語り始めた田渕君。第一印象は、どこにでもいる普通の中学2年生という感じです。しかし、キューブを手にした瞬間、同じ人間とは思えないようなすごい技を披露してくれました。現在3×3×3のキューブを6面揃えるのに平均14秒台の田渕君も、2年前初めて触ったときは3日かかったとのこと。その半年後に初めて出場した大阪大会では、5回の平均タイムが27秒という記録でしたが、予選落ちだったそうです。記者は、何時間やっても1面しか揃えられないのに、すごい世界です。現在は、毎日4、5時間練習して、技を磨いているそうです。
今年の世界大会は、10月5日〜7日の3日間、ハンガリーのブダペストで開催されました。ルービックキューブには様々な競技があり、今回の大会では17種目が行われました。その中でもメインイベントは、3×3×3のキューブの5回の平均タイムを競う競技です。今年のこの競技の1位・3位は日本人で、田渕君は14位という成績でしたが、5回の計測のうち最も早かった11・00秒が、日本人の最速タイムだったのでメダルを獲得しています。田渕君は日本人選手の中で最も多い11種目出場したため、昼ご飯の時間もなかったとのこと。他に出場した競技の中で好成績を残したのが、3×3×3最少手数部門と4×4×4の目隠しです。3×3×3最少手数部門とは、6面揃っていない状態からいかに少ない手数で6面揃えるかの競技で、田渕君は37手で2位でした。4×4×4の目隠しは、まずキューブの状態を記憶し(記憶している時間もタイムに含まれる)、その後目隠しをして6面揃えるまでのタイムを競う競技で、田渕君は12分58秒を出し4位でした。ちなみに日本人で4×4×4の目隠しをできるのは4人のみ。大会で成功したのは何と田渕君が史上2人目で、そのタイムは現在のアジア記録だそうです。インタビュー中に3×3×3の目隠しを見させてもらいましたが、迷いなくキューブを動かす技にはほんとうに驚きました。 |
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目標は、2年後の2009年の世界大会で、優勝すること
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◆ルービックキューブのコツについて どうやったら、そんなに上達できるのかと聞くと「練習あるのみ」と断言されました。40秒ぐらいまでは努力次第でなんとかなるが、その後はパターンを覚えることが大事で、現在、田渕君は1000種類の記憶パターンから6面揃えるための一番効率の良いパターンを瞬時に見出して組合せることを練習しているそうです。素質よりも努力が大事とのことなので、記者もルービックキューブに挑戦してみたくなりました。とりあえず何時間かかっても6面揃えるところからですが。 最後に、今後の目標について聞くと「次の2009年のルービックキューブ世界大会で優勝すること」と間髪入れずに答えが返ってきました。次の大会は、まだ決定ではないのですが、日本で開催される可能性もあるとのこと。2年後、表彰台の一番上の田渕君の笑顔が見られるかもしれません。 |
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一般にルービックキューブと呼んでいるものは、3×3×3のものですが、それ以外に2×2×2、4×4×4、5×5×5があります。右上のClockや、Magicというパズルは、動かし方すら分からないものでした。 |
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