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元のレコードと完成したCD

　1982年10月にコンパクトディスク（CD）が発売されました。その4年後、CDがレコードの売り上げを追い抜き、現在レコードは、ほとんど生産されなくなっています。若い頃よく聴いていたレコードが、部屋の奥深くに追いやられていませんか？レコードを聴く環境や器材が整わなかったり、キズやカビ等の汚れで聴くのを諦めている人もいるでしょう。そんなレコードを、CDに蘇らせてくれるお店があると聞いて、ハロー記者が取材に行きました。
　松戸市の五香にある「有限会社YKファクトリー夢工房」では、レコードのCD録音サービスを行っています。夢工房の加藤さんに、話を伺いました。どうしてこの仕事を始めたか聞いたところ、「私は、オーディオマニアではありませんが、音楽は大好きです。ただ、昔聴いていたレコードを現在の生活環境の中で簡単に聴くことは難しくなっていました。そんな時めぐりあったのが針を使わない光学式レコードプレイヤーでした。針による再生の弱点を見事克服し、CDに変換したすばらしい音に感銘を受けたのがこのサービスを始めるきっかけとなりました。」とのこと。加藤さんからレコードとCDの違いや、レコードに対する熱い思いを聞いた後、レコードをCD化する作業を説明してもらいました。一枚作るのに何度も洗浄したり、音を調整して録音したりと、思っていたよりもとても手間がかかる作業だとわかりました。「好きじゃないとできないよ」という加藤さんの言葉が印象的でした。レコードは、針で聴くのが当たり前と思っていたのですが、ここでは、一般の人はあまり持っていないレーザーを使って音を読むレーザーレコードプレイヤーを使うので、レコードが傷む心配もありませんし、針よりたくさんの音情報を読むことができるとのこと。完成したCDの音は、素人の私でも汚れたレコードのときと比べてとても音が良いことがわかりました。数十年以上前のレコードがCDに生まれ変わるのは、とても不思議な気がします。レコードを愛する加藤さんの気持ちが伝わってくるようでした。
　みなさんもどうしても、もう一度聴きたいレコードをCD化してみては。あの頃の感動が、場所を選ばず鮮やかに蘇りますよ。

1）真空式バキュームクリーナー	2）レーザーレコードプレイヤー

レコードがCDに生まれ変わるまで
1）レコードの洗浄
無水アルコールと精製水の混合液を用いてレコード面から汚れを浮かせ、真空式バキュームクリーナーで吸い上げます。洗浄前より音質は、大幅に良くなります。ほこりはもちろんカビまで落とすので、発送したときより、ピッカピカのレコードが戻ってきますよ。

2）レコードの試聴
レーザーレコードプレイヤーで行います。光学式ターンテーブルと呼ばれるこの機械は、針の代わりにレーザー光線を使ってレコード盤の音情報を読み取ります。レコードの溝に接触することなく音を拾いますので、お客様の愛聴盤を傷つけることがありません。また、レコードに含まれる原音を全帯域にわたり歪感を少なく、かつ限りなく多く引出し再生できます。小傷の多いレコードもレーザーの照射角度を変える事により、スクラッチ音を最小におさえる事が可能で、大きな傷、割れ目、反り等、針による再生が不可能なレコードも、再生できます。

3）CD書き込み
CD書き込みは、試聴したレコードの状態に合わせ音圧やノイズリダクションを調整し、最良の音質でトラック間の曲分割処理をしながら、音楽専用ＣＤでＣＤ-Ｒ方式の書き込みを行います。ノイズリダクションは、新開発のノイズ除去装置を使って、アナログ音のデジタル変換に伴う音質変化を最小限に抑えて行います。ノイズ除去は原音を損なわない最良の方式で行ないますが、原盤の状態によってはノイズが多少残ることがあります。

4）レーベル・インデックス製作
最後は、レーベルとインデックスの製作です。レーベル印刷は、仕上がったＣＤ-Ｒレーベル面にタイトル、アーティスト名を印字いたします。インデックス制作は、ご提供頂いた情報を基にＣＤケースの裏表にインデックス制作をいたします。これで、あなただけのオリジナルCD完成です。