特集記事
子供のスポーツチームと言えば、野球やサッカー等が一般的ですが、今回は、松戸市に唯一あるラグビーチーム『松戸少年ラグビースクール』を紹介します。 『松戸少年ラグビースクール』は、幼稚園から中学生までの少年・少女が所属するラグビーチームです。チーム名についている『ラグビースクール』は、少年ラグビーのチームではつけられていることが多いそうです。練習は、元山駅近くの自衛隊松戸駐屯地内にある、大きく広がる美しい芝生のグランドで行っています。このスクールは、自衛隊員の鍛錬の一環として組み込まれていたラグビーを、自身の子供達にも教えたいと、有志の方々が教え始めて1976年に創立されました。 今年は、創立30周年の節目の年を迎え、80名もの少年少女がラグビーに汗を流しています。30年の歴史の中では、120名を超えるメンバーを有し、常勝松戸と言われていた時代もあれば、部員が30名程に激減し存続が危ぶまれた時期もあったそうです。それでも地域の方々に支えられ現在に至っており、17年度からは、より親しんで頂けるよう『コアラベアーズ』という愛称をつけました。 練習は、ラグビー経験のある父兄を中心とした約20名のコーチ陣のもと、幼稚園、小学1・2年、3・4年、5・6年、中学生に分かれて体力・技能に合わせた練習が組まれています。安全を最優先に、コーチの目が行き届いており、大きなケガをした部員はいないそうです。小さい子達は楕円のボールに親しむ事からはじめます。中には、虫取りやお花摘みに興じる子もいたりするとのこと。上のクラスに進むにつれてパスやタックル、チームプレーを学んでいきます。月に1〜2回程のペースで周辺の市外のチームと行う大会や試合では、闘志をむき出しにして力一杯プレイしています。社会人トップリーグ選手との交流等もあり、最近では秩父宮ラグビー場で、NECグリーンロケッツの選手の入場エスコートをしたそうです。バーベキュー大会やもちつき大会等、ラグビー以外の行事も行っています。夏合宿では、虫取りやプール遊び等も行い笑顔が花咲くひとときとなっています。 代表の久保さんにラグビーの魅力を伺いました。「ラグビーはとにかく熱いスポーツです。今どきの人達から観ると格好悪く見える位情熱的で、根性や友情を身体で感じるスポーツです。友達のために全力で走る。そんな『熱さ』に親も子も夢中なのです。」 また、ラグビーでは、個々の特性をそれぞれのポジションで生かせるため、足の速い子も遅い子も大きい子も小さい子も、目立ちたがり屋も恥ずかしがり屋も全員がラグビーを楽しむことが出来るとのことです。 最後に、子供達には、ラグビーを通してどんなことを学んでほしいのか伺いました。「子供達は練習を積む事で上達し、『足が速くなった!』と喜んでおりますが、それ以上にお互いの身体同士をぶつけ合う事で他人の痛みが分かる心。『ONE FOR ALL ALL FOR ONE』一人はみんなのためにみんなは一人のために頑張る気持ち。試合中どんなに激しく戦っても終了の笛が響いた瞬間、共に戦った相手チームのメンバーを敬い、称え合うノーサイドの精神。それらは、これから少しずつ大人に成長してゆく子供達には、どんなに高価な宝石よりも輝くものになると信じています。」と代表は、語りました。 ラグビーを愛する小さなラガーマン達は、今日も自分のため、友達のために楕円のボールを追いかけていることでしょう。 |
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