Vol.62 -- 2005 年 06 月号
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前回は、これまで数週間の入院が必要だった手術が、超短期間の入院で受けられる「日帰り手術」の全般についてお伝えしました。今回は日帰り手術で行われている、手掌多汗症(手のひらの汗)と下肢静脈瘤(足の静脈瘤)について、どのような病気で治療法はどうするのか取材を行いました。(協力
: 新東京病院 日帰り治療センター長 加賀谷 正 医師)
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日帰り治療センター長
加賀谷 正 医師
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全身の皮膚に比べて、手のひらに汗が多く出る症状です。この症状で悩まれている方は以外に多いのですが、病院で受診しても《異常なし、体質的なもの、思春期だから、精神的なもの》といったような事で片付けられ、正確な診断や治療を受けられていないのが現状です。原因は汗腺をコントロールしている交感神経の部分的機能亢進症だといわれています。加賀谷医師によると「直径2ミリの極細の胸腔鏡(テレビカメラ)を使用して、胸部交感神経を部分的に切除する手術により、100%手のひらの汗は少なくなります。」とのこと。この手術は15分間ほどで行われ、保険も適用されます。入院も必要なく創(きず)もほどんど残りませんが、副作用として代償性発汗が5%にみられ、事前によく説明を聞くことが大切だということです。
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特に女性が多く悩まれている足の静脈瘤。脚の静脈の弁が正常に機能しなくなり、次第に血液が溜まってしまうので、次第に静脈は太くなったり蛇行したりしてしまいます。治療法について加賀谷医師は「静脈瘤は運動やマッサージ、薬などで治ることはありません。治療法としては 1)弾性ストッキングをはく方法 2)硬化療法(静脈瘤内に硬化剤を注射し、圧迫して静脈瘤を癒着、硬化させる) 3)手術療法(小さな皮膚切開を数ヶ所行い静脈瘤を抜き取る)があります。それぞれの方法の利点や欠点を理解して、治療を受けることが必要です。当院では硬化療法を行い硬化をあげています。」とのこと。以前は何日かの入院が必要だったこうした手術も日帰りで行えるようになり、医療の進歩には驚くばかりです。次回は痔と鼠径ヘルニアについてお届けします。 |
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