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特集記事

Vol.61 -- 2005 年 05 月号

　手術といえば、これまで数週間の入院が必要で、仕事や家事を休まざるを得ないということが常識でしたが、医療技術の進歩により、手術が超短期間の入院で受けられる「日帰り手術」が注目を浴びている。そこで今回、松戸市にある「新東京病院」の協力のもと「日帰り手術」についての取材をおこなった。

　日帰り手術とは

日帰り治療センター長
加賀谷　正

　新東京病院では、日帰りで手術や検査をすることのできる日帰り治療センターを開設している。そこでセンター長を務める加賀谷正医師に話を伺った。「日帰り手術とは、手術当日の朝に来院していただき、その日の夕方には帰宅できる手術のことで、会社を休んだり、家族の世話を実家に頼んだりと、何かと煩わしいのが入院生活ですが、そんな精神的負担から解消され、また入院日数が短くなれば、医療費の自己負担額も減ります。手術方法は開腹手術とは違い、体に小さな穴を開け、超小型カメラで部位を写しながら切除や切開を行うので、手術時間は短く、術後の痛みも少ない」とのこと。現在同センターでは、手掌多汗症（手のひらの汗）・下肢静脈瘤・胆石症・胆嚢ポリープ・鼠径ヘルニア・痔核・肛門ポリープなどを手術しているが、その殆んどの方がその日のうちに帰宅している。

　安全面はどうなのか

　新東京病院を例に取れば、専属看護師で構成する『日帰り治療コーディネーター』を配置している。術前には、患者さんの生活習慣を確認し、手術が可能か否かの背景を調べ、術後には状態を電話で確認する等してバックアップしている。実際、術後の痛みは鎮痛剤で治まる程度の軽いものが殆んどのようだが、同院では、夜間も休日も３６５日24時間体制で救急外来を開いているので、万が一、帰宅後に急に具合が悪くなった時にも対応することが可能となっている。センター長は「日帰り手術は、もともと患者さんのニーズにそって生まれてきたもので、必ずしもすぐに退院しなければならないということはなく、患者さんの状態や事情に応じて柔軟に対応している」と話す。このように、患者にとっては条件が揃えばメリットの大きい日帰り手術。来月号では、手掌多汗症と下肢静脈瘤の手術に関してお届けいたします。