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特集記事

Vol.37 -- 2003 年 05 月号
 
↑流鉄の記念スタンプは、
駅員さんにお声かけ下さい。
 流山市は千葉県の北西部に位置し総面積約35km人口約15万人の街です。もともと江戸川や利根川の水運によって栄え、明治初めには現在の流山市立博物館あたりの大地に県庁が置かれ下総地域の中心であったといいます。近隣の市に比べ宅地開発が緩やかなこともあり、まだまだ緑が残され社寺などの名所旧跡、味醂をはじめ小林一茶、近藤勇など歴史にまつわる話もいっぱいです。

●流鉄の愛称で親しまれている総武流山電鉄
 全線5・7km、約11分のミニ鉄道。2〜3両編成の電車が6つの駅を行き来しています。車両の色により「若葉、青空、流星」など名前が付けられ、今度は何色が来るのか待つのも楽しい。トコトコ走る流鉄の旅。各駅にはその地を代表する絵柄の記念スタンプがあり、散策帰りの証しに集めてみるのもおすすめです。

↑鰭ヶ崎の名刹「東福寺」。平安時代創建の真言宗の寺院で山号は守龍山(しゅりゅうさん)。

●東福寺
 (鰭ヶ崎駅から徒歩4分)
 弘法大師が龍の導きで開山(814年)したという東福寺。ご本尊の薬師如来は、五色の池に棲む龍王が捧げた龍宮の霊仏を弘法大師が補修して刻んだものといわれ、龍が海に戻るときにヒレの先が残っていたので、この地が「鰭ヶ崎」となったといいます。また、表藤太(藤原秀郷)が平将門の討伐に出かける際に東福寺に参詣して必勝祈願したともいわれ、江戸時代には30石拝領の御朱印寺としても有名で由緒深いお寺です。急勾配の石段を登ると朱塗りの仁王門があり、2・7mもある大きな「金剛力士像(阿吽)」が迎えてくれます。広い境内には樹齢400年とも500年ともいわれる大きなイチョウの木があり、思わず姿勢を正してしまうほど見事です。本堂には、薬師如来像(非公開)の他、「表藤太の百足退治」の大きな絵馬が奉納されています。また、右手にある中門は、日光東照宮造営のときの材料の一部が寄贈されて造られたといわれ、鴨居には名工・左甚五郎の作と伝えられる鴨が彫られ、見ると鴨の目に釘が打ち込まれています。


↑目つぶしの鴨(かる

●目つぶしの鴨(かる)伝説
 いつのころからか、夜になると鴨が舞い降りて黄金色に稔った稲を食い荒らしました。ある日の夜、村人が逃げる鴨を追いかけていったところ東福寺の森に入っていきました。よく調べてみると、中門の柱に田んぼの泥が点々と付いていて、鴨居の上に甚五郎の鴨が休んでいました。和尚さんは、二度と稲をあらさないようにと目に釘を打ち、以後、鴨は田んぼを荒らさなくなりました。

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