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特集記事

Vol.32 -- 2002 年 12 月号
【松戸を代表する野菜 ネギ-前編-】
↑江戸川流域に広がるネギ畑。一本の雑草も見当たらず、真直ぐ伸びた畝に等間隔に植え付けられている。土の下にある白身は50〜60cmにも成長するという。

 東京に隣接する松戸市は、古くから都市近郊野菜の生産地として知られている。特に「矢切ネギ」は、昭和40年まで行われていた全国農産物品評会で4度の農林大臣賞を受賞し、全国的にも知られている銘柄品だ。
 昔は大消費地への野菜供給地として、見渡す限り田畑が広がっていたという松戸だが、戦後の急激な都市化に伴い田畑は宅地へと変わり、農地や専業農家は減少。また、暖冬などの気候の変化や農作物輸入自由化など、今や野菜を取巻く環境は大変なものだ。そうした中、松戸市のネギは、千葉県で第1位、全国の市町村でもベストファイブに入る生産をあげている。それは、農地を守り、常に最高のネギを作り続けるという生産農家の努力と熱意にほかならない。

↑出荷間近なネギ。サイズ別に分けられ、葉の先端を切り揃えている。贈答用としても人気が高い。
↑矢切ネギは、多肉、多汁で弾力があり、甘味、食感もいい。肉との相性も抜群。ネギは、熱を加えると一段と独特な甘味とコクが出る。太いネギはすき焼き、中は鍋物、細いものは薬味など、食卓には欠かせない食材だ。
●矢切ネギの誕生
 ネギの中でも最高品質を誇る「矢切ネギ」。その栽培は明治4年頃、東京府下砂村(現在の江東区北砂周辺)から千住ネギの種子を譲りうけたのが始まりとされている。江戸川によって運ばれた土質は、水分を含んだ砂と粘土が適度に混ざり合い保水性、排水性に富みネギの栽培に適していたことから、明治13年頃には、水田の裏作として市場へも出荷するようになり、ネギ栽培は矢切を中心に東葛飾全域に広がっていったという。昭和になると地域の有志により品種改良が進められ、昭和8年頃、これまでのネギとは異なる新しい品種「矢切ネギ」が誕生した。この矢切ネギは、白身が長く光沢があり糖度も高く、優れた高級ネギとして、昭和20年後半〜30年代にかけて4度の農林大臣賞を受賞するのである。その後、さらに品種改良が進み、種苗会社などによる「生育が早く、揃いが良く、食味に優れ、病害虫に強い」といった有望品種が生み出される。現在の矢切ネギは、この改良された品種で栽培されているが、その品種の基礎を作り出したのは、この「矢切ネギ」といえるのだ。松戸市の南西部に位置し、矢切の渡し、野菊の墓で有名な矢切地区。その江戸川沿いの低地には、今も見事なネギ畑が広がっている。
           (1月号へつづく)
★参考資料 JAまつどHP

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