|
日本で1番長い運河は、利根川と江戸川を結ぶ「利根運河」であることを、ご存知ですか?観光地になっている北海道の小樽運河ほど有名ではありませんが、柏市、流山市、野田市の3市を流れる全長8.5キロの利根運河は、日本で1番長い運河なのです。今月は、その「利根運河」をご紹介したいと思います。
|
素朴な自然が息づく「利根運河」 |
|
|
|
|
|
|
|
↑平成3年総合運動公園を会場に、91’流山トーテムポール国際大会が開催されました。一般市民や海外からの参加者及び彫刻家などが制作したトーテムポールが87基あり駐車場付近にある21メートルのものは日本一の高さです。 |
|
|
|
|
ご存知ですか?日本一長い「利根運河」
利根運河は、利根川と江戸川を通行する船の航行時間を短縮するため作られました。設計・監督は、オランダ人技師ムルデルがあたり、明治21年に着工。工事は延べ200万人が参加する大工事で、明治23年に竣工しました。その後、最盛期には1日に100隻以上の船が通行しましたが、鉄道や道路の整備が進んだこと、洪水の原因となったことなどで、昭和16年に運河の利根川口を埋立て、運河として役割を終えました。しかし、今、利根運河は、自然のままの樹木が繁り、たくさんの野鳥が生息するため、絶好のハイキングコースとなっています。また、運河水辺公園などが整備され、市民の憩いの場所として親しまれています。
|
「利根運河」で初夏の風を楽しむ |
利根運河の土手の両側には桜並木があるほか、松戸では殆ど見られなくなった深い緑の雑木林と、沢山の野鳥がいて、散策している間中、鳥のさえずりが楽しめます。ジョギングやサイクリングを楽しんでいる人にも出会いますが、その数は少なく、のんびりとしたハイキングコースとして最適です。利根運河は、柏から東武野田線で4つ目の運河駅から徒歩1分。駅の改札口を降りると正面にある流山街道を右手に数十メートルもいくと、利根運河のほぼ中央部に出ます。運河橋をわたると、そこは野田市で、東京理科大や霊波の光があります。運河橋を目前に左手の土手の上には桜、斜面地には自然石などが置かれた運河水辺公園となっています。桜が満開となる春には、京都の嵐山を彷彿させる(ちょっと大袈裟?)奥深い自然の風景は、必見です!
|
フィッシング・バードウォッチング・ハイキング |
|
|
|
|
|
|
|
↑昔は汽船か通っていました。
写真提供:流山市立博物館 |
|
|
|
|
|
|
↑今ではきれいに整備され、ジョギングなどを楽しむことができます。 |
|
|
|
|
運河橋を渡る前に右手に折れ小高い堤防の上を進むと、雑木林や水田が広がっています。運河側はアシや低木で覆われ、所々で釣りを楽しんでいる人をみかけます。大きな鯉もいるそうです。運河橋から利根川水門まで、片道6キロ。脚に自信のない方は、途中にある柏大橋を反対側に渡りコースを短縮することができます。運河の北側は野田市で、サイクリングロードが整備されているので、眺望が開け、双眼鏡を使わなくても、水辺に「カモ」、「サギ」、「アヒル」などをみることができます。全長8・5キロの運河の両方の土手を歩いて往復すると、17キロ。5時間もあれば制覇できる道のりですが、運河にかけれらた6つの橋を利用すれば、コースの距離を調整できます。また、運河の両サイド、利根川口と江戸川口には、東屋のある小公園があり、駐車場もあるので、車利用の方には便利です。休日の高尾山や奥秩父ほど人のいない「利根運河」。下総の国にあった昔ながらの素朴な自然を、1日かけて、静かにゆったりと楽しんではいかがでしょう。(英国国立ウェールズ大学大学院環境プログラム教授 井崎義治)
利根運河の今・昔の画像があります。
www.ne.jp/asahi/noda/tora/imatomukashi1.htm
www.nodacci.or.jp/contents/shiseki/nodak058.htm
|