|
松戸の皆さん 「ハロー!流山」の登場です! 皆さんは東京や柏に行くことはあっても、流山にはあまり馴染みがないのではないでしょうか? 今月から始まるこのコーナーでは街やお店、生活などにスポットを当てながら、お隣の流山を紹介していこうと思います。それでは早速、松戸から近くて遠い(?)未知の町「流山」へでかけることにしましょう。
|
知られざる「へそ」のない町 |
|
|
|
|
|
|
|
流山の名所や伝統芸能などが紹介されている「流山カルタ」。「あ」の赤城神社では毎年秋に行われる大しめ縄づくりが有名で、市の無形民俗文化財に指定されています。絵は市内在住の画家・鈴木心平さんによるもの |
|
|
|
|
流山市の人口は松戸市の人口の3分の1にあたる15万人余り。流山市民の半分は、柏から出ている東武野田線沿線に住んでいます。他の半分は、松戸市にある馬橋駅から出ている総武流山電鉄沿線や常磐線南柏駅・武蔵野線南流山駅周辺に住んでいます。
その昔、まだ江戸川が水運として重要であった頃、水運の要衝だった流山は東葛地域の中心地として栄えていました。その頃の中心は、今の総武流山電鉄の終点駅「流山駅」を降りてまっすぐ駅前通りを江戸川土手に向かって3分も歩くとぶつかる、松戸と野田を結ぶ旧街道沿いでした。今も、当時の趣を伝える商家の建物が残っています。さらに当時の繁栄を物語るのは、この地域から数百メートル北へ行った高台(今の市立図書館の辺り)には、2ヶ月にも満たない短い期間でしたが、廃藩置県で下総や常陸の国などを統合して葛飾県とした時の県庁が置かれていたのです!
しかし今、流山の中心はどこかと聞かれると、松戸や柏のように、町を代表するような繁華街は、残念ながら(?)ありません。このために流山が、松戸の隣りの町であるにもかかわらずイメージがわかず、よくわからない「知られざる町」に映るのかもしれません
|
|
|
|
|
|
|
|
|
流山に今も残る旧商家 |
|
|
|
|
柏がプチ渋谷とか東の原宿といわれていますが、流山にも、他の町の比喩を使った表現の街や通りがあります。そもそも緑が多く、閑静な住宅街が多い流山を、「千葉の世田谷」と評する人もいます。過去30年間、流山の一世帯あたりの所得水準は、首都圏の150の町の中でも、毎年トップ20にランクインされています。しかし残念なことにこの事実は、ほとんど一般に知られていませんし、当の流山市民も知らないのです。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
江戸川台の閑静な住宅街 |
|
|
|
|
柏から東武野田線で3つ目、10分の江戸川台駅。この駅前に広がる約三千戸の住宅地は、高級住宅地「田園調布」に似せて、駅のロータリーから放射状に伸びた道路を中心に、一区画が100坪前後ある広々とした住宅が広がっています。中には200坪近い区画もあり、そこかしこに保存された松の木や、40年前の開発当時に植樹された樹木が生い茂り、高級住宅地の雰囲気を醸し出しています。
最近では、商店街から一歩住宅街に入った辺りに、お洒落なブティックや手作りの雑貨専門店、コーヒーショップなどが点在し、ちょっとハイソなムードが漂っています。閑静な住宅街の小道からは、バイオリンや琴などの音が漏れ聞こえ、豊富な庭木や公園の緑からは鳥や昆虫の鳴き声も楽しめます。こんな江戸川台を、「千葉の自由が丘」と評する人もいるほどです。
松戸や柏のような繁華なショッピングゾーンと異なり、豊かな緑の中、邸宅とお洒落なショップめぐりを楽しめる「江戸川台」は、心静かな散策を愉しみたいご夫婦に、ハイソな気分を愉しみたいカップルのデートコースに、お薦めです。あなたも是非、一度、お出かけ下さい。
(英国国立ウェールズ大学大学院環境プログラム教授 井崎義治)
|