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特集記事

Vol.24 -- 2002 年 04 月号Helloまつど.com【by USiFinder】


	千葉ロッテマリーンズ背番号６初　芝　　清選手
	1967年2月26日生 35歳　東京都池袋出身　ＡＢ型　181ｃｍ　95ｋｇ。二松学舎大付属高校卒業後、東芝府中を経て、1988年ロッテに入団、背番号6。右投右打内野手、2001年度の個人打撃成績は、打率253、本塁打16、打点61。ロッテひと筋、今年で14年目を迎える。名実ともにチ−ムの顔であり、優勝のカギを握る主軸の選手である。

目標は、もちろん「ビールかけさ」。現役選手なら一度は経験したい、そのための優勝なんだと。愛嬌あふれるチームの華、初芝清選手は他の誰でもないビールかけが似合う男である。
　３月６日の千葉マリンスタジアム。昨夜から降りだした雨も昼前にはあがり選手たちは一斉にグラウンドに飛びだした。応援するかのように雲の合間から陽が差し込んで球場をあたたかく包んでくれる。明日は成果を試すオープン戦。軽い練習メニューをこなしながらも開幕間近とあって、どの選手も引き締まったいい顔をしている。その中にひときわキラリと輝いている選手がいた。打撃に守備にと汗を流し時折おどける背番号「６」。そう初芝選手だ。その憎めないひょうきんなキャラクターはとても魅力的。ファンの熱い視線が注がれている。
　趣味がカラオケでレパートリーも数知れずワイワイ騒ぐのが大好きで大のビール党。「そういえばサッポロビールが出している応援ビールの『マリーンズ缶』知ってますか？」との問いに「勿論知ってるよ。今年で4回目じゃなかったっけ？嬉しいよね。地元のビール会社が地元球団を応援してくれるのって」そして悪戯っ子のように「マリーンズ缶でビールかけの予行練習しておこうかな」と笑顔で答えるまさにお祭男だ。家庭ではニ男一女のお父さん。「家では物静かだよ」といいつつ「皆で楽しむカラオケ揃えたいなぁ」（やっぱりネ）自称満点パパ？８歳のお兄ちゃんを筆頭に「どの子も可愛いな」と顔を緩ませ「今日はヒット打ってね」のお子さんのエールに「おいおい今日もでしょ。”は“じゃなくて”も“でしょ」と真剣に正す。傍らで奥様が微笑ましく見守っている姿が想像できる。
　初芝選手は長打力と勝負強さが自慢だが、昨年の前半は不調に苦しみ納得できる数字を残せなかった。チーム成績も５位。その結果については「もう終わったことよ。俺は基本的に振り返らないから」とひとこと。その表情から「やるしかない」という強い意志が読み取れる。新ストライクゾーンには「あまり気にしないね。まわりが騒いでいるだけ。気にしすぎるとリズムが狂うから」とあくまでマイペース。実は「身につまされた忘れられない事があった」と話してくれた。それは昨年ゲッツーに打ち取られた時、客席から一斉にブーイングが起こった。生まれて初めて浴びたブーイングだ。「すごいショックだった」と。何事も済んだことは振り返らないというが、心底「頑張るぞ」と再確認した時でもあった。
　目の前にいる初芝選手はポッチャリイメージとは違い今までになくスマートだ。その絞り込んだ体は順調な仕上がりを物語っている。「調子は？」との問いに「いい感じ。いい感じ。あとは実戦でね」といい感じを連発し明るく笑って答えてくれた。後半になってやっと真価を発揮する超がつくほどのスロースターター。そして打っても守っても、その走る姿にハラハラドキドキ一喜一憂。いつもベンチやファンをやきもきさせているが「どう結果に結びつくか自分自身でも楽しみ」と開幕が待ちきれない様子で自信を覗かせてくれた。「打って打って打ちまくる」そんな予感を抱かせる。今年はひと味違った初芝選手が見られそうだ。
　翌日のオープン戦では得点には結びつかなかったが初回に二塁打を放った。今年も長打力は健在だ。優勝のカギを握る期待の男である。12球団一といわれる応援も一段と熱くなるに違いない。今年こそ優勝だ！