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特集記事

Vol.275 -- 2023 年 03 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」 徳川文武

第百六十六回 日本の安全保障

 ここのところ、中国が五、六年前から国際宇宙空間へ放出したと言う「観測用気球」について、日米は「偵察飛行」だと中国に抗議している。一方、日本の一般国民には「自分の国を守ろう」と言う「国防意識」が「きわめて希薄」に見え。その理由は一九四五年に太平洋戦争に惨敗し、翌年公布された日本国憲法にあるのではないか。

 我が家にある一九四九年印刷の六法全書の冒頭に「日本国憲法」が含まれている。第一章が天皇、第二章が戦争の放棄で「国権をもって武力を行使することを永遠に放棄する」とあり、第三章は国民の権利と義務で、「納税、勤労、子女に教育を受けさせる権利」を規定したが、「国民が自国を守る」と言う記述はない。

 日本の敗戦とともにサンフランシスコ平和条約が発効する一九五二年まで、連合軍米軍の日本進駐が続き、同年締結の日米行政協定に基づく「在日米軍」としてアジア地域の安全保障のため駐留することとなった。日米は中国、ロシア、北朝鮮などの急速な軍事拡張も懸念して安保協定を見直してきた。最近は、アジア太平洋地域の安全保障連合を形成し自主的な東アジア防衛を進める必要を自覚した。日本の防衛装備についてはミサイルを中心した防衛の連携装備の防衛予算の討議が始まった。

他国領土を調査する中国気球
 ここ一週間ほど、水母(くらげ)のように「中国気球が領土一万メートル上の空中」を浮遊していたと「多くの国」が報道していた。中国政府は抗議した国々に対し、何々あれは中国企業が観測用に作っており悪意はありませんと嘯く。日本の上空にも過去に何回も現れて、ちゃっかりカメラで情景を撮影したデータを中国に伝送したのか。米国は普通には入手できない自国の防衛基地情報を盗み撮りされたと一喝すると、中国も面子を汚されたと唾を返す。地上一万メートルの高さはジェット機が活動するには酸素が薄く具合が良くない高度だそうだが、太陽光で発電してドローンが推進して通信回線でデータを送る中国には都合が悪くない環境だと言う。問題は「国の領域」の定義が「陸地と海」とでは異なるらしく、陸地の上空は「航空路」と言われる一万メートル以下と「人工衛星」が活動する数百キロ以上の上空が重要で、その中間の空間は、規制されていない今回の「風船」の活動空間だと言う。太平洋戦争中、日本軍は風船爆弾を米国西海岸まで飛ばせたという話を聞いたことがあった。

沖縄離島を買った中国人女性
 この報道は昨日の日本のテレビニュースで放映され、ぎょっとした。それによれば、この中国人女性は、日本にある中国系の不動産企業からこの沖縄離島を入手したという。それにしても、テレビに出た国土交通省の担当者は、「今回の購入が違法だと言う事はありません。不動産の立地条件が合法であれば、買うお客さんを差別することはありません」と嘯くのだ。テレビ報道担当者は、この土地を購入した中国人は、中国政府の命令があれば中国の法律では、この土地から傍受した沖縄基地の秘密情報を中国政府に差出すことが求められる。

 これもテレビニュースで放映されたが、新潟市中の空き地を中国領事館が取得したと言うのである。そこはかなりの広さがあり、地元では横浜並みの「中華街」ができれば観光地として商売も繁盛すると期待できると言う。この土地が中国領事館に買われれば、日本人にとっては治外法権の土地となり、中国政府はヘリポートを作り本国との情報活動も行うだろう。在日外国大使館によっては、「常識を逸する事件」が起こるかもしれない。

複数国籍を持つ自国民
 日本政府と韓国政府は、自国民が複数国籍を持つことを認めない。しかし世界の殆どの国は、その国民に複数の国籍の取得を許す。中華人民共和国が中国人に対して、先進国の国籍を持つことを許す理由は「国が得する」または「国が利用価値がある」と認めるからである。米国の進んだ技術を不正に入手したり、米国で蓄積した資金を裏金として流用することができるためである。

米国へ留学して卒業し企業に入社、移民として外国籍を取得した中国人たちは、血縁と言う手綱を使って一族が結党する。日本人もそうであるが、血縁は縁の始めである。それを巧みに利用したのが、中国籍と言う血縁で繋がった中国人の国際的ネットワーク(縁)なのだ。中国国内で罪を問われ国外へ逃げたり、国外で中国政府の命令に従わない中国人容疑者は中国へ連れ戻され重罪となるらしい。

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