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特集記事

Vol.157 -- 2013 年 05 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」

第50回<台北に友人黄さんを訪ねる>

初めて台湾へ旅行したのは、三十年前サンフランシスコからだった。今回は成田からデルタ航空で、そのあとに出来た台北桃園空港に入った。
黄さんは台湾人でもあり米国人でもある。彼とは、米国カリフォルニアで通信機器メーカに勤めたときから、三十年来の友人だ。彼の兄弟姉妹四人のうち三人は米国に渡り、彼の二人のおじさんは日本で開業医だった。
日本統治時代に育った九十七歳の彼の母親は、カナダのトロントに娘と一緒に住んでいたが、数年前に台湾に戻った。黄さんの母親は彼が買ったコンドミニアムに住み、北京語を話すインドネシアの女性が、台湾語が分かるもう一人のインドネシア女性と交代して、身の回りの世話をしに来ている。黄さんの母親は台湾語と忘れかけた日本語しか分からないので、いまの介護女性とは完全な意思疎通は出来ない。
黄さんは、台湾人を雇う三分の一の費用でこの介護女性を雇えると言う。このインドネシア人の介護女性は、インドネシアに残して来た家族や友人と携帯電話で無制限にお喋りができるので、うれしいらしい。

黄さんのコンドミニアムは、もとは台湾政府が使っていたものだそうで、団地は千戸以上からなり、十五階建ての棟が十本ほどあり、彼の住居は広さは百二十平方米くらいで、一つの大寝室と三つの寝室に十二畳くらいの居間と六畳くらいの食堂がある。六年前に二千五百万円で買ったという。
一昨日、黄さんは台北市と新台北市を公共交通機関で案内してくれた。台湾の新幹線は日本が受注したが、台北の地下鉄は一号線はフランス製、二号線以後はドイツのシーメンスが納入したもので、その車両や改札機は、三十年ほど前にできた米国サンフランシスコの高速鉄道(BART)と良く似ている。ともにコンピュータ制御で運行していて、車内での停車駅案内は、台湾語、北京語、客家語と英語で話している。サンフランシスコのBARTは、開業当初は事故が多く、制御を担当したヒュレットパッカードのコンピュータソフトウエアに問題があると非難が多かった。しかし、今回の十両編成の地下鉄は、その人間工学的デザインに格別の好感が持てた。
いま第三期工事中で、台北市や新台北市は日本の東京のように複雑な地下配管がないらしく、地下鉄の駅には十分な空間を割り当てることができて、ゆとりある設計に見えた。今日月曜日は台湾海峡の海を見た。

一昨日は土曜日で、乗ったバスも地下鉄もかなりの乗客がいて、十分繁盛しているように見えた。バスにも地下鉄にも優先席が設けられていて、混んでいても「日本とは異なり」乗客は友人と私にも「進んで席を譲ってくれ」た。
東京のように、ツッパリで自分の権利ばかり主張する雰囲気がないのだ。これは東京よりも南国のせいなのか、なぜ台湾の人々はこんなに和やかなのかと不思議に思った。たしかに、台北の都市は日本のように整備されているとは言いがたい。まさに、高度成長期日本の中型都市の様相ではあるが、その未完成ぶりが私には懐かしく感じられる。通りに軽オートバイが多いのにもおどろく。
黄さんが言うには、最近、本土中国人の観光客が多く、やたらとタバコの吸いがらと痰を吐き散らすので、街が汚くなったという。

一昨日の龍山廟に続いて、黄さんは、今日は車で祖師廟と承天禅寺と言う寺へ案内してくれた。台北には孔子廟もあるが、寺は修行の場所で、廟は中国的な祭式信仰の場所なのだそうだ。
龍山廟も祖師廟も派手な色の屋根にたくさんの装飾と信仰の物語を語る群像がついていた。これらの廟は地元の仏教信仰の場所で、大勢の信者たちが訪れ、派手な献花や線香や捧げ物を上げ、祈祷の成就を占う二つの木片を投げていた。廟でも寺でも僧侶が読経していたが、廟では信者も唱和する。黄さんによれば、台湾では儒教は教育の道徳であって、宗教ではないという。それに比べて、龍山廟や祖師廟は、近年は交通事故や財政難や結婚問題など自分で解決できない多くの問題を抱えて訪れる人が増えているという。見ていると、うら若い女性も結構多く、生きることの難しさを思い知らされる。
寺の外の通りを、旗をたくさん立て、がーがー大声で叫ぶ小型トラックが何台か通り過ぎた。あれは何だと黄さんにきくと、「台湾は中国ではないのだぞ」と叫んでいるのだと言う。当初から自社製造をしないアップル社の製造を一手に引き受けていた台湾のフォックスコンは、もう十年も前に、台湾の人件費高騰が理由で、中国に移動してしまったそうだ。

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(送り先 月刊ハロー編集部)


 

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