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特集記事

Vol.156 -- 2013 年 04 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」

第49回<安倍政権には、よりよい方法の検討が必要>

東日本大震災が起こってから、すでに二年も過ぎたが、災害を受けた原発は復帰も廃炉も出来ずくすぶり続け、避難民に対する住宅の工事は予算も準備されながらも大幅に遅れている。昨年の新米の時期から、東京の精米小売価格は安くても十キロ三千七百円と、二割以上も上がったままだ。これが世界で先端を行くと自負する技術国、世界第三の経済国のあるべき姿なのか。私にとっては、そんな不要な面子よりも、北欧諸国のように国民が満足する国であることの方が、よほど重要に思えてならない。米の値段が二割も上がったのだから、政府は不足分を、例えば米国食品スーパーで小売十一キロ千二百円のカリフォルニア米などを緊急輸入して、補填したらよさそうなものの、そんな面倒は見ない。美味しいことは良いことではあるが、日本の米は平均的な日本人の収入に対して高価すぎると思う。付加価値がある高価な農作物を多量に輸出するのは、無理があると思う。

今夜のテレビニュースでは、東日本大震災の「住宅建設が予定通り進んでいない」理由を説明していた。被災地の自治体では、災害で破壊した公共施設や住宅などを作る事業に工事業者を募集しているが、業者の応募率が極めて低く「復旧復興自体が大幅に遅れている」と言う。この業者たちは募集価格では儲けにならないから入札できないと言う。その理由は、作業員と建設資材の不足だ。工事業者が言うには、作業者の賃金が一日二万円でも集まらず、セメントなどの資材が高騰し、生コンクリートを現地生産する設備も破壊されてしまったからだ。不景気に比べれば、募集が多いことは、誠に結構な状況だと見えるが、政府には適切な洞察力と対応力が求められる。自民党安倍政権が地元の公共工事予算を大幅に増やしたことから、作業者と資材の不足が一層深刻になろう。安倍政権は春闘要求に大企業が応じるよう求めたが、日本の事業者の殆どは中小企業であり、頼まれてほいほいと賃上げなど出来る大企業のようには余力がない事を分かっているのか。

被災地の住宅建設が加速できる方法を私は考えた。第一の方法は、季節労働者として外国人にビザを発行して「外人労働力」の確保をすることだ。この労働者をまとめるには、日本にいる同国人を使えば良い。第二の方法は、欧米圏の組み立て木造住宅で規格を変更したものを「輸入」して日本で家を建てる。第三の方法は、木造住宅の「新しい規格や建て方」を早急に作り出す。すでに二年間も、のろのろしていたのだから、本気でやれば、こんな事は政府が金を使って人数を動員すれば、半年でも出来る。自動化された建設機械を使って、女性でも家を建てる時代も近く来るかも知れない。先日テレビニュースで見た映像は、素人の女性が自動化された工事用重機を操縦している姿だった。テレビ会見で安倍総理は、「能力ある人」のために、より多くの機会を開くと言った。しかし現実は、保育園が少なく、子供を預けることが出来ないから、「能力があっても働けない女性」が多数いると言うことを理解したのだろうか。日本の人口の減少は、神の思し召しに逆らうことが原因かも知れない。

日本の建築建設業界は、次々と新しい建築法や工法を開発して来た。この際、職人である大工を中心とする家の作り方ではなく、作業時間が少なく低熟練作業者でも可能な、家の作り方を採用すれば、将来の日本の経済と雇用に役立つ。日本と米国とでは、家の建て方が全く違うのを米国で見て来た。日本では一軒の家を作るのに、伝統的な専門の職人の数が実に多く、現場で細かい寸法合わせを行いながら家を建てるので、施行期間が長かった。最近は、予め業者の作業所でつくった部品を持ち込んで、現場で組み込むことが多くなったため、施工期間は大幅に短縮された。一方、米国では日本に比べ少ない数の大工で家が建つ。米国の一般規格住宅を作るときには、大工は工務店で必要な規格部材を買い込み、これらを組み合わせて家を作る。米国の「建材は極度に規格化」されており、日本とは全く異なる。多くの日本人は、自分が住む家は「味わいがある」作り方が良いというが、それは状況による。東日本大震災のように、多数の建築物が一気に破壊してしまったような状況では、それに応じた復旧復興の仕方が求められる。

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(送り先 月刊ハロー編集部)


 

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