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特集記事

Vol.137 -- 2011 年 09 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」

 第30回<原爆と原発を考える その一>

 被害者に対する政策
 原爆の日と終戦記念日は今年もやってくる。大量殺人兵器である原爆が投下されてから、今年は六十六年目になる。毎年、政府や自治体は原爆式典で献花と追悼と黙祷を行い、世界に向けて核戦争中止と被爆の不幸を叫ぶ。でも被害者たちが望んでいるのは、そんな表面的なことではなく、政府が被害者全員を原爆による放射線障害の苦しみから救い、生活を助けてくれることだと思う。広島や長崎には、原爆による放射線障害と診断されながら、いまなお、公正な認定が与えられず、医療と生活に苦しんでいる人々が多数いる。
 そしてこの三月、三陸沖で起きた大地震大津波により東京電力福島第一原発が非常用電源浸水で爆発した。ベント、水素爆発、圧力抑制プールの爆発、冷却水漏れなどにより、大気中、土壌、溜まり水、立坑、海水、および地下水に放射性物質が放出された。今回の大津波は天災であるとは言うものの、中国の高速鉄道事故を笑うことはできない。今回の原発事故では「官民学の癒着」が作り出す重大な体質的「人災」が事態をさらに悪化させた。官邸と原子力委員会、安全保安院と東京電力との間で情報の隠蔽が行われ、国民は真相さえ知らされず、五ヶ月と言う貴重な時間が無駄になったと言うことだ。四ヶ月してやっと、災害復興組織が発足し、これから何をするのかを検討始めると言う。被災者に対する救済も縦割り行政のために全く不十分で、今回の災害では「最悪の事態」が発生したと言っても過言ではない。原爆でも原発でも、政府の被災者に対する対応には、余り進歩が見られない。
原子力発電所は安全なのか
 科学技術分野に携わる私の考えでは、日本における原子力発電は、現技術では経済的に割が合わない可能性が非常に大きい。その理由は、日本以外の諸国では、箱物事業として発電予算は立地条件が良いので割安な一方、日本では、必要な揚水発電所の建設、地元振興事業、「核廃棄物処理」を除いても、地震津波の予測が出来ないため防災費用が巨額になるからである。自民党政権は「原発は絶対安全で従来発電よりも割安」と偽り、無知な国民を何十年も欺いた。世界の原子力発電所は、米国に約百基、次はフランスと日本に約五十基ずつ、次がロシアに約三十基あるが、日本だけが地震国津波国で、全ての原発が大洋沿岸に建てられている。日本が技術導入した国では、地震や津波災害を原発の操業危険要因と考えない。テレビ番組で米国原発関係者は、非常電源は原発の主電源が消失したとき、決定的に重要な機能だと力説した。米国の原発では、非常用発電機室は外部から浸水しないよう設計されていた。そこでは三基の原発に対してそれぞれ設置高さが異なる八台の非常用発電機が設置されている。福島第一では一基に対して二台の非常用発電機がすべて同じ高さの場所に設けられていると言う。これでは話にならない。米国のGEでは二十年程前にベント(圧力解放)機構を実用したが、それは反応容器の爆発を避けて「放射能物質を直接空中に放出」すると言う、最終手段だと語っていた。
原子爆弾と原子力発電のちがい
 原子爆弾の目的は、高濃度の核物質の核分裂反応により大きな爆発エネルギーを発生することであり、生物を死滅させる放射線を発生することではない。原爆は空中で起爆すると核分裂反応が連鎖的に起こり、生じた核反応物質と放射線が空中の広い範囲に広がる。一方、原子力発電の目的は、地下から地上にある原子核反応器内で、「低濃度核物質が制御された状態の核分裂反応」を起こし、生じた熱エネルギーにより容器中の水が沸騰した高圧水蒸気で蒸気タービンを回転させ、直結した発電機の回転で電気エネルギーを発生することである。
 もし、同時に原爆と原発の技術開発を、二つの別の場所で独立に一から始めたとすれば、原発の開発の方が「よほど技術的に困難」だと私は思う。今の原発はすでにできた原爆の技術を多く転用して出来たものだ。原爆の開発では核廃棄物の処理を真剣に考える必要はなかったが、原発では「半減期が長い放射性物質」が含まれる核廃棄物が大量に生じるため、その処理を避けては通れない。
 原発の業務としては、操業と維持(点検、部品交換、修理、試運転)のために多くの作業があり、常に安全を守る手続きを見直さなければならない。日本の原発では多くの「手抜き作業」や「不具合の記録抹殺」が多く発覚している。原発の技術は、重要な要件が満たされないままで、一人歩きを始めたことを忘れてはならない。
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(送り先 月刊ハロー編集部)

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