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特集記事

Vol.131 -- 2011 年 03 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」

 第24回<つぎの都知事は東京をどうかえるか>

  東京が世界で生き残るためには、五、六十年たまった垢を洗い落とし、その肥満を減量する必要があるのではないか。あまり巨大になったため、地域社会の歪みも極限に達している。東京の空間は新建築の展覧会場となり、「不幸な人々」は置き去りにされ、「既存住民の生活」が押しやられる。四月に都知事選挙を迎え、次の都知事がどんな手腕を示すだろうと有権者は興味深々だが、日本全体にも影響するから、他人ごとには思えない。問題が積み残されたまま続くのか、さらに大きな問題が生じるのか。東京が世界で大きな経済力を持つことは重要だが、住民として気がかりな問題が幾つかある。
第一は、東京が都民にとって「お任せ都市」になりかけていることだ。あれもやりましょう、これもやりましょう。その代わり、利権の温床であるお手盛り巨大予算で特別会計は膨れ上がる。事業が増えれば、当然ながら、天下りの機会も増え、全てを国民や都民が負担する。日本の国債乱発は、米国レーガン大統領が任命した、米連邦準備制度理事会(FRB)前議長グリーンスパン氏が、米国の貿易赤字に対し国債を乱発し始めた手法を模倣したものと言われる。米国は商品生産による価値の創造だけでは足らず、輪転機によりドル札と国債を大量に刷り続ける。たしかに、巨大事業は経済効果も大きいだろうが、環境破壊を最小限に抑えた、伝統文化都市の姿を保つための、きめ細かい補修工事も望まれる。東京タワーやスカイツリーのおかげで周辺の伝統的景観は台無しだ。
第二は、東京圏で登校や勤務する人々が、彼らの選択とは言え、満員電車で通学通勤を強いられ疲労していることだ。ここ十年来蔓延している無報酬残業は半世紀も前の高度成長期の後遺症だ。それに加えて、子供のブランド校受験のための塾通いにより、多くの家庭で団欒の時間はあまりない。この状況は、五、六十年前に始まる高度成長時代から、日本の企業従業員の家族生活は壊れ始めた。早朝から混雑が激しい田園都市線では、通勤する大人たちにもみくちゃにされて通学する、背の低い幼稚園や小学生たちの姿は痛々しい。過去十数年、私は毎年何回か米国から帰国するごとに首都圏の電車がより混雑して、車両が長くなり、運転間隔が短くなっては、また混雑するのを繰り返し見ている。
第三は、大地主や大型店舗が絶大な権力をもち地域を支配していることだ。二子玉川駅周辺は高島屋のおかげで慢性的な交通渋滞で、既存の小売店は多くの客を失った。五年計画との事で、東急は二子玉川に大型買物センターと大高層住宅を建築中だが、大井町線の運転間隔を数分おきにする以外、電車が増える乗客を吸収するゆとりはないと感じる。開発区域の土地は東急のもちものでも、環境は住人のもちものである。日本では施主事業者は勝手に役所から建築許可を取り付けるが、欧米では住民との公聴会が頻繁に行なわれ、住民の納得の上、生活を阻害しない地域作りが義務付けられている。
第四は、少子化とは言え、相変わらずのブランド校偏重である。高校で全国標準学力試験が行われている米国では、学校別の学力比較データがあり、ブランド大学に入学するために、日本のように子供の生活が歪められる事はない。米国の大学入学には学力試験はない。高校卒業まで自宅に近い学校へ通うことは、子供が健康に成長するために望ましいことだ。学校の肩書きで新卒を採用するのは雇用者の好みかも知れないが、企業にとって重要なのは出身校名ではなく、かれらの業績のはずだ。日本では労働条件の格差が激しい。企業の無報酬残業禁止と同一職務同一賃金の法制化が望まれる。そして従業員の身分差別から生じる格差を無くすべきだ。生産労働人口不足の折から、定年制度も撤廃が望まれる。仕事が出来る人は、年齢に関係なく働き、相応の税金を納めるべきだ。おばあちゃんにも保育所で元気に働いてもらえば良い。これこそ、協力共存の長寿健康社会だ。
第五は、「要求するばかりの世の中」になったことである。欧米社会では権利意識や所有意識が旺盛だが、キリスト教が基盤なので、共存意識や助け合い精神も旺盛だ。それでいて米国では家庭暴力が多いのは、私には理解できない。米国では人身事故や女性や未成年者に対する犯罪は厳しく罰せられる。日本で自治体が便宜を図って、大人と青少年が一緒になって「協力隊」を作り、不幸な人々や不自由な人々を助ける経験をしてもらったらどうか。そうなれば、地域だけでなく国民としての一体感も助長されるだろう。就職できなくても、自治体がわずかでも訓練助成金を出し、まじめにこの活動をすれば、履歴書に書く経験となる。米国ではこのような社会奉仕活動の機会は多い。就職するときにも、歓迎されるだろう。
つぎの都知事には、より簡素で快適に生活できる環境作りへの努力を期待したい。自分が踊るよりも、人をうまく躍らせる能力がつぎの都知事には必要だ。
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(送り先 月刊ハロー編集部)

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