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特集記事

Vol.119 -- 2010 年 03 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」

 第12回<政治屋は要らない、政治家が必要だ>

   ここのところ、毎日国会中継を視聴している。どうやら、政治屋とは国民の税金を使って自分の利益のために駆け回る金食い虫、政治家とは理念を持ち世の中、国民のために駆け回る人々らしい。新政策も法案や予算が実施されるには、国会で可決される必要になる。ところが、野党は衆議院の予算委員会で、民主党首脳への献金や贈与金と肩書き資格の質疑に時間をとり、肝心の予算審議がなかなか出来ない。元大臣も含め野党に回った自民党は、民主党を引きずり落とすことばかり考え行動する。反対派の足を引っ張るのは、日本民族の血の中に流れている遺伝子らしい。自民党の置き土産がひどすぎて予測が狂い、民主党の政権公約には実現が出来ないものが次々浮上してきたのは事実である。それに、今の民主党首脳は元はといえば自民党出身だから、金権政治が染み付いていても不思議は無い。民主党首脳の金権疑惑で人気が半減しても、今更自民党に政権を担当して欲しいとは誰も思わない。ともかく、過去六十年間の自民党悪政の経験と記憶があるからだ。自民党は国民を食い物にし、国土の自然を箱物で取り返しがつかないほどに破壊した。
 いま重要な事は、民主党が今までに無い理念の元に政策を実行する事が第一であり、民主党首脳の金権がけしからんと言うことは第二の問題だ。国民は四回続いた自民党の坊ちゃん政治を経験し、自民党ではこの不景気を乗り越える事が出来ないと判断したのである。今まで解決しなかった事を解決するには新しいやり方を試してみなければ突破口は無い。それには不確かさ(リスク)が伴うのは当然の事である。米国シリコンバレイから次々と新しい製品が誕生したのも、リスクをベンチャー投資家が背負ったおかげだ。日本の銀行だったら誰も投資はしない。とにかく、民主党を支持して全速で走らせてみよう。そしてその結果を見ようではないか。そして、彼らにもっと要求があれば、どんどん、突きつければ良いのだ。領土問題と基地問題は五十年来、自民党が投げ出した問題だ。日本と中韓ロとの領土問題は何も解決されなかった。従来どおりの素人たらい回し人事の外務大臣では勤まらない。自民党は、沖縄基地問題は米国と沖縄基地に取り決めをしたというが、一体どれほど沖縄島民の真意を反映したものなのか。米軍海兵隊基地が、最近話題に上がっている北マリアナなど、沖縄以外に移設されることに期待したい。
 ここ数年来失業する人が多い一方、議員たちには減給も失業も心配無く、国民の血税をジャブジャブ経費で浪費し、赤坂の高級料亭などで飲み食いの贅沢を尽くす。そして国会議員は、最低二千万円もの年俸、大企業の部長の給料も超える高額から始まり、国会で野次を飛ばしたり、与党を引きずり落としたり、野党議員たちは全く生産的でないことに明け暮れる。人口減少で議員は必要以上に多すぎ、議員の年俸は日本が標榜する北欧の二倍以上の額だ。しかし、始末が悪いことに、議員や降格が無い官僚の報酬は、議員や官僚が自分たちで決めることになっている。これには第三者委員会など無い。この際、議員会館も工事は中止、国会議員はグリーン席や黒塗りの車の利用も廃止、年俸を八百万円から始めるものとし、国会と地方議会の議員数は半減したらどうか。これができれば、国家休日として「議員の日」を制定しても国民は反対しない。政治家元年の誕生である。残念ながら、現在は、議員は日本では国民の上にあぐらをかく「特権階級」なのだ。日本という国は「姿勢が重要な国」だというなら、「自分たちから改める」のが当然だ。議員になったら一定期間、兵役や奉仕活動を経験していただくのはどうか。議員が政治家だというのなら、理念を持ち、自分の利益のためではなく、国のために働く、人々のために働くという自覚を持つことを望みたい。これ以上、国民の血税を浪費する茶番劇をやらないで欲しい。そして、議員は国民の尊敬の的になって欲しい。
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