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特集記事

Vol.116 -- 2009 年 12 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」

 第9回<加害責任の回避>

  お任せ社会からの脱却の課題として、第一回目では自己判断の回避、第二回目では対話の回避、最終回である第三回目では「加害責任の回避」を取り上げる。ここで「加害責任者」になるのは「商品やサービスや制度(承認)」を提供する母体である企業や政府と言う集団である。これには被爆症を十分に救済しなかったり、薬害訴訟で問題になっている決定機関である政府も含める事にする。従って今回の議論は我々日本人が好きな英語を使えば、「コンプライアンス」についてである。私なりの解釈ではこれは、「商品やサービスや制度」を提供する集団は、そのときそのときの社会の発展段階の道義に合わせて相応の責任を負うという概念である。
 人間の社会は時と共に「驚くほどの進歩や変化」を作り出す。世界歴史的に幅広に考えると、十五世紀末西欧列強は航海技術の進歩が手伝って、「地理上の発見」と称して「彼らにとっては初めての新大陸」を発見して植民地化して略奪の限りを尽くした。西欧の教会堂の光り輝く金装飾は世界中の金をこうして集めた結果である。産業革命時代に市民生活が大発展し始めたとき、電灯の利用の前に鯨油がランプに使われた。このときの鯨油の需要は凄まじく、日本が現在世界中から槍玉にあがっている「鯨の捕獲」は、欧米では北洋で大規模に行われていた。西欧キリスト教思想では「種を絶やす事と高等動物を殺傷すること」は「神の掟に反する」と言うのである。我々が信じる仏教では「全ての生きるものを殺すこと」は殺生と言って戒められる。西欧人たちにとっては、家畜は神が人間に与えられ人間が食べるための動物だが、犬猫は違うと主張する。人間が生きた時代と集団によって、「社会的道義」は異なるのである。人間はまことに身勝手に物事を決めるものである。そして「社会的道義」などと言い出したら戦争などは出来ないはずだ。ましてや米国が自分の基準で行っている他国侵略で「出きるだけ殺さない」で戦争をする事などは不可能だ。戦争で死んだ米兵の数は数えるが、侵略して殺した側の人数は眼中に無い。
 政府が認めた薬剤で生じた「薬害は政府の責任」であると言う一方、わらにもすがって治療を受けたい患者は外国薬剤が健康保険薬として認められないので薬療を受ける事が出来ない。そのような薬療は健康保険が適用されないから大変高価につく。世界中程度の差はあれ、新薬の政府承認には時間と金がかかる。新薬の発明から生体実験終了までには五年から十年の時間と莫大な費用がかかり、そのあとに政府承認が控えている。日本政府は全ての決断において後ろ向きであるから承認が遅れる。薬療は大変複雑であり、人種差も含む患者の特性と今まで受けた他の薬療とも深く関連しており、患者一人一人に異なった効果をもたらす。場合によっては、生命の危険も頻繁に起る。これを事前に新薬評価で行う事はきわめて困難だ。
 日本と違って米国はより進んだ「法治国家」である一方、弁護士は自分の商売のねたを探し回って悪さをする。ちょっとでも「違法」になりそうな事件があると身を乗り出してきて商売のねたにする。全米でも市民活動が盛んで消費者がすぐ不満を言うカリフォルニア州では、「消費者に十分な説明をしないで商品やサービスを売ったときは売り手は責任を問われる」をも「コンプライアンス」に含めている。そして企業は説明不十分なために多額の賠償金を支払うことにもなった。日本企業はこれを曲解して、企業が訴えられないようにするには、「責任逃れのために、商品やサービスの利用に関する条件を消費者に叩き込むのが得策」に踏み切った。公共交通機関では車内で「過剰な注意事項」が四六時中声高に放送されている。だから車内放送が喧しいことと言ったらない。公共交通機関の車内はその企業の自由には出来ない。なぜならここは「公共空間」だからである。だからバス車内で商用宣伝放送をするのも禁止される日が早く来ると良いと思っている。住宅街を拡声器で商用宣伝するのは「日本では普通」であるが、こんな商行為は住人の平和を乱すから欧米では例外なく禁止されている。日本の後進性が問われる。人によっては「江戸の下町情緒」があって良いと言うかも知れないが、地域によって条例で決めるべき事だ。ここ十年くらいで急速に普及した日本の消費者保護もきわめて立ち遅れている。今日の話題「加害責任の回避」は「消費者や住民の声」があってこそ整備改善される。側面から不満だけ言っていたのでは始まらない。
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