Vol.59 -- 2005 年 03 月号
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いよいよ千葉県知事選挙。
『で、知事って何・・・?』
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いよいよ千葉県知事選挙が始まる。4年に一度の千葉県の代表を決める選挙である。しかし皆さんのなかには、知事が何をする人かわかっていない人が多いのでは・・・?普通はあまり縁のない偉い人だから、関心が薄いのも当たり前で、知らないのも当たり前。知事は600万県民の中から1人しか選ばれない訳だから、さすがに滅多にお目に掛かれるものではない。比較的政治家と会う機会の多い僕でさえ、この4年間で2回しか会ったことがないのだ。そんな偉い人を選ぶ前に、最低どんな仕事をする人なのかは知っておかなくては。
知事は県民によって直接選挙され、県を代表するのだ。任期は4年で、県の事務全般について統轄し、県政の総合性、一体性を維持する権限と責任をもっている。したがって知事は、他の執行機関を総合的に統一し、調整する機能をもっている。すなわち1)予算案の作成 2)予算を執行する権限 3)議会に条例案などを提出する権限 4)租税等を徴収する権限などを知事だけの権限とし、さらに行政委員会が仕事を処理していく上で必要な事務局の組織、職員の定数及び身分の取り扱いなどについて、総合的な調整を行う権限が知事に与えられているのだ。取りあえず杓子定規に書いてみたが、何がなんだかわからないだろう?もう少し砕いて説明すると、1)1年間に使えるお金の使い方を考える 2)考えた使い方が議会で承認されれば、そのお金を使う権限を持つ 3)法律を超えない範囲で、県内だけに適用される決まり事(条例)を考え、議会に提出する権限をもつ 4)いろいろな仕事(事業)を行うために、県民の皆さんから税金を集める権限を持つ、と言うことである。いわゆる千葉県の代表であり、責任者であると同時に、お財布を握っている非常に権限を持った役職が知事である。いわば千葉県の大統領みたいなものである。じゃあ、小泉さんとは何が違うの、って思うかもしれないが、日本の首相は間接的(国会議員の投票によって)に選ばれて、しかも何事も一人では決定できないのが決定的に違うのだ。基本的には総理大臣は内閣という仲間(組織)の中で議長としての役割であり、知事のように直接の決定権を持っているわけではない。つまり内閣で決議されて初めて予算の提出や執行を許されるのである。しかも全会一致でなくてはならない。
ここまで読んでくるとお気づきと思うが、知事というのは絶大なる力を持っているのである。アメリカ大統領が2期8年までしか出来ないことになっているのも、あまりに力が集中して、不正をうまないよういするためである。そう言う意味では県知事も県内においては同じように絶大なる力を持つことになるので、多選禁止の動きが出てきているのもうなづける。
まぁ、今回の選挙もこれだけ凄い権力者を選ぶのだから、自分には関係がないと思わないで、候補者に耳を傾けたり、情報を収集してから選びたいものである。少なくとも、なったら何もしない人を選ぶことだけは避けなくてはいけないのでは・・・。
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