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特集記事

Vol.215 -- 2018 年 03 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」 徳川文武

第一〇六回 東京オリンピックのための環境整備

 二〇〇九年衆院選で圧勝した民主党は、最初の内閣が沖縄基地問題で躓き、二〇一一年これまた東日本大震災で挫折、翌年の暮、七十年来にわたって日本を金権政治で蝕んできた自民党の安倍政権にとって代わられた。二〇一三年、二〇二〇年東京の第二回オリンピック大会開催が決定した。これを機会に東京都は都市整備を考えるが、欧米諸外国に比べて「障害者に対する差別が激しい日本」では、貧しい環境整備の東京を改善するには、金はあるものの時間が足らない。交通規則を守らない自転車利用者を再教育するのも簡単ではない。スマホを見ながら音楽を聴いて自転車に乗る人間が歩行者を激突で殺す事故が絶えない。殺された人間には自転車を避ける機会がなかったのだから、自転車の乗り手には傷害致死でなく意図がなくても「殺人罪」を適用するべきだ。交通法規上、自転車は車両扱いであり、人間の生命はそれほど尊いものなのだ。

鉄道駅のホームドア設置その他
 数年後に迎える東京オリンピック大会に向け、障害者通行の安全対策などが進められてはいるものの、国土交通省は、鉄道駅のホームドア設置を一日当たり十万人の通行客が利用する駅を対象に制度化していると言う。過去五、六年はホームドアがないために、視覚障害者がホームから転落する事故が何件も報道された。その巨額な設置費用(十両編成のホーム一本分十億円とか)は鉄道が負い、設備メーカが短期間に設置完了するのも困難だと言う。鉄道やバスを利用する障害者の移動も、現状では、駅職員やバス運転手に大きな負担がかかる。交通機関の車内でも車椅子の利用空間は極度に制限されている。新幹線車両は一両に車椅子空間が一人分しかないと言う。鉄道の駅構内も、車椅子の移動経路は「後付けのため」複雑で利用できないような環境が殆どだ。街中の歩道も障害者誘導路は「お粗末」な状況だ。

不要で優先席を独占する人々
 交通機関で優先席が始まったのは一九七三年だと言う。今はそれから四十五年、大方半世紀、二世代前になる。現在その利用状況はどうなっているのか。我々日本人は宗教心が希薄なためか、わりと身勝手な民族である。まだ新聞が全盛の時代には、大きな新聞を広げて混雑する車内で肘を張り読む通勤者が車内にたくさんいた。それが携帯電話の使用者や文庫本を読む姿に移行したのは、ちょうど二〇〇〇年頃だった。総務省の統計によれば、携帯電話の普及の後から市場に登場したスマートフォン(スマホ)やタブレット端末の普及は、二〇一〇年から急速に増加を続けている。優先席を独占している若い乗客たちは、メイルのやり取りやゲームで遊ぶのに、「座っている方が楽だから」そうしているのだ。  我々日本人の乗客たちの八割以上は、スマホや携帯をいじっている。優先席に座っている乗客の殆どはこれら端末をいじっている若者だ。政府や鉄道会社は「優先席を設けることが法制化」されているのと「会社の面子がある理由」で、いまさら本来の目的を果たさない優先席を取り止める訳にもいかない。優先席が必要な人に譲る様子は、鉄道の路線によってかなり異なる。私が頻繁に乗る路線、学校が多い大井町線では「人々は譲り」、田園都市線では「人々は譲らない」傾向が顕著だ。もちろん時間帯によっても異なる。通勤で混雑する時間帯には、優先は完全に無視される。ここ十年くらい優先席はスマホ携帯使用者が独占するようになった。そのすさまじい様相は時間帯に全く関係ない。夜遅くは仕事の後で飲食した人が多いので、居眠りのふりをして又譲らない。横浜の地下鉄には優先席はないが、係員が複数で車内を巡回して「必要な人に席を譲る」のを促している。これは良い制度だと思う。今や日本人に善意はないかに見える。

 八十歳になる私は鉄道やバスの車内では立つようにしている。理由は自分の健康維持のためだ。テレビで放映している様々の「長寿健康法」で薦めているのは、足腰の運動だ。
 年を取るとただでさえ衰える手足の筋肉の退化を遅らせる最適方法は、乗り物の加速減速や揺れに対抗して身体の筋肉を踏ん張る運動で、体育館へ出かけずにできる最適の運動なのだ。二子玉川駅の改札からホームへ上がるには五十四段の階段があり、これを歩いて上がるのは実に良い運動で、達成感と運動後の爽快感はこの上ない。現在の自分の健康状態を育ててくれた親に感謝するばかりだ。

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